【知ってる?】世界の国家公務員制度の違い

やまりん
企画国際国家公務員制度

コロナ対応を通じ、世界各国の行政システムの違いが浮き彫りになっていますよね。さて、みなさんは世界の国家公務員制度の違い、知ってますか?
違いとしてよくあげられるのが、"任用の仕方"です。
ですが、そもそも"任用の仕方"って…?各国で何が違うのでしょうか…?
今回は、世界の国家公務員制度を分類する軸の1つ、国家公務員の"任用の仕方"についてまとめました。

※この記事でいう"国家公務員制度"は、地方公務員等も含む公務員制度全体をさす場合があります

目次

1.「任用」とは
2.世界の国家公務員制度の違い
3.2種類の任用「政治任用」「資格任用」
4.日本の国家公務員制度
5.最後に


1.「任用」とは

 
そもそも、「任用」とは何でしょうか。
法律用語辞典では、以下のように説明されています。

特定の職に特定の人を就けることの総称。通常、採用、昇任、降任又は転任のいずれかの方法で任命することによって行われる(国公三五、地公一七)。

有斐閣 法律用語辞典 第4版より

つまり任用とは、特定の役職にどのように選ばれるかのことです。
例えば、国家公務員の中には、事務次官、課長といった役職がありますよね。

また"役職にどのように選ばれるのか"は、
①政治家の裁量で任免される「政治任用」
②能力や成績により任免される「資格任用」
にわけられます。これからその2つについて説明していきたいと思います。


2.世界の国家公務員制度の違い

では、国家公務員制度の違いはどのように生まれるのでしょうか。
多くの国が「政治任用」と「資格任用」を併用しています。しかし、国によって、それぞれの割合はまちまちです。

国家公務員の中で「政治任用」と「資格任用」が、それぞれどのくらい用いられているのか、そのバランスで世界の国家公務員制度を分類できるといえます!

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3.2種類の任用「政治任用」「資格任用」

では、2種類の任用について、各国の国家公務員制度とともに、もう少し詳しく説明します。

3-1.政治任用

政治任用とは、政治家などがその裁量により、専門的な政策能力や政治的忠誠心などを理由として、行政機関のポストを任命することができる制度をさします。
任用される人は、国家公務員試験に合格していなくても、国家公務員として働くことができます。

重要ポストの多くに政治任用を用いている国の代表例は、アメリカです。
アメリカでは、日本でいう各省局長級以上のポスト、局長・事務次官・副大臣・大臣はすべて政治任用となります。上級管理職の一割、一般職の一部もその対象です。

政治任用される人は、官僚だけでなく、民間や大統領の選挙活動に関わっていた人など、様々。大統領の就任とともに役職に就き、大統領の任期が終わると役職を退くのが一般的です。このほか、フランスなども、重要ポストに政治任用を用いています。

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3-2.資格任用

資格任用では、政治家などが任命するのではなく、能力や成績により、競争原理に基づいて任用されます

資格任用に重きをおいている国の代表例は、イギリスです。
事務次官ポストまでは、公務員試験に合格した職業公務員が就くとされています。
伝統的に、イギリスの国家公務員には政治的中立性が厳しく求められていると言われています。政治家の職業公務員人事への介入や、政治家と国家公務員の接触が制限されているようです。
このほか、ニュージーランド、オーストラリアも、政治任用はあまり用いず、資格任用が中心です。

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4.日本の国家公務員制度

日本は、資格任用が中心だといえます。重要ポストのなかでも、省内の事務次官までは、成績主義に基づいて任用されます。民間等からの中途採用も行われていますが、公務員採用試験によって採用された国家公務員が昇進を重ねていくのが一般的です。
なお、人事院は「平成15年度年次報告書」で、日本の国家公務員制度について言及しています。


5.最後に

以上のように、国家公務員の任用方法は、政治家の裁量で任免される「政治任用」と、能力や成績により任免される「資格任用」があります。政治任用と資格任用のバランス、これが世界の国家公務員制度の違いの一つです。

日本は資格任用が中心でしたが、長年改革が議論されています。世界には、政治任用を拡大している国もあります。今後日本でも、政治任用と資格任用のバランスが変わっていくかもしれませんね!

世界の国家公務員制度には、今回ご紹介した点だけではなく、様々な違いがあります。
人事院の「平成15年度年次報告書」「平成16年度年次報告書」では、各国の国家公務員制度がより詳しくまとめられています。興味がある方はチェックしてみてください!

💡まとめ

政治任用資格任用
概要政治家の裁量で任免能力や成績により任免
任用の対象国家公務員に限らない国家公務員に限る
代表例アメリカ/フランスイギリス/日本

この記事を書いた人

やまりん
やまりん
都内大学文系4年。運動はあまり好きじゃないけど、かれこれ運動部10年目。官僚・官僚志望の人を、応援しています。

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