【文系大学院生の公務員就活】院生の生活、知らないままスルーしてない? Vol.4 吉田さん

kubo
大学院卒大学院

1.はじめに

国家総合職になるには院卒区分を受験するという選択肢があるのに、肝心な学部卒との違い院生としての就活のスケジュール感など、院卒者の公務員就活情報が少ない! と感じたことはありませんか?この記事では、院に進んで公務員就活をされた方々へのインタビューを通じて、院卒からの公務員就活のイメージをつかんで頂ければと思います!

*こちらの記事は、【文系大学院生の公務員就活】のVol.4(最終回)となっています。Vol.1~Vol.3はコチラから
                 ⭐Vol.1⭐

                 ⭐Vol.2⭐
                 ⭐Vol.3⭐

【目次】

1.はじめに
2.インタビューから院卒の公務員就活を知ろう!
2-1.経歴について
2-2.院への進学と公務員を目指した理由について
2-3.院でのキャンパスライフについて
2-4.院での就活について
2-5.吉田さんからのメッセージ
3.最後に

2.インタビューから院卒の公務員就活を知ろう!

【吉田さん(仮名)】
今回は人文科学系の大学院から経済産業省に内定した吉田さん(仮名)にインタビューしました!
*以下の内容は吉田さん個人の見解であり、所属する組織としての見解ではありません。

2-1.経歴について

国立大学院(人文社会)→経済産業省(2021年度)
(大学院2年生時に院卒区分の行政区分を受験し合格、官庁訪問)

2-2.院への進学と公務員を目指した理由について

ーー本日はよろしくお願いします。まず初めに、なぜ大学院への進学なさったか、お聞きしたいです。

A.研究テーマについて大学院に進んで研究を続けようと思ったからです。院生時代は産業組織における人事マネジメントを研究していました。

ーー国家公務員は専攻とは少し違う方向だと思うのですが、なぜ公務員を目指そうと思ったのですか?

A.そうですね、公務員をめざした理由は万人に奉仕できるからです。研究者は1を10にする仕事、民間は10を50に、国家公務員は50を100にする仕事だという村木さん(注:村木厚子元厚労省事務次官)の言葉に大きな影響を受けました。また、元々の自分の思いとして、働いている人のためになりたい、労働をやりがいのあるものにしたいというものがありました。

ーーなるほど。専攻的には厚労省や文科省が近い分野だと思うのですが、経産省を選んだ理由を教えてください。

A.私は厚労省と経産省で迷いましたが、個人の働き方を変えるよりも、働く舞台、産業構造そのものに手を加えることによって労働を変えるブレイクスルーを起こすことが出来ると思ったからです。 また、厚労省はマイナスをゼロにして困ったことを無くそうという方向性なのに対して、経産省はもっと社会を面白くしよう、問題解決に加えてプラスアルファで他の価値を提供することができると感じたからです。

2-3.院でのキャンパスライフについて

--ありがとうございます。話題は変わりますが、吉田さんの大学院生活はどのような生活でしたか?

A.私は最初の方は研究者志望だったので力を入れていました。それと並行して学部時代からしているコンサルのバイトを続けていました。その後は、英語で勉強会を開いたり興味のある授業を取ったりして自分の世界を広げようとしていました。大学院生活で一番忙しかったのは、コンサル就活の時期の一年秋〜冬で、私の周りにあまり就活する人がいなかったので、コンサルに受かった知り合いに教えてもらいましたが、今まで対策をおこなっていなかったので大変でした。1年の2月くらいには内定を取ることができたので、2年からはそこまで忙しくはなかったです。

2-4.院での就活について

ーーコンサルタントなどを見ていたとのことですが、民間就活についてお聞きしたいです。

A.私は民間にもかなり興味がありました。中でもコンサルタントを特に見ていました。フェルミ推定やケース面接など特殊な対策がいるので大変でしたが、日頃の思考や内定者同士の勉強会の際などにコンサル就活で得たロジカルシンキングは役に立ちました。
公務員試験が遅い(注:2年生の4〜6月)のに対して、コンサルは1年の秋〜冬がピークなので、その後の公務員就活に集中できました。 シンクタンクは雰囲気があまり合わないのでそこまで受けなかったです。外資コンサルタントは意見を言いやすい環境がいいと思いました。似た雰囲気の経産省が良いと思った理由でもあります。

--ありがとうございます。研究についてもお聞きしたいです。

A.私は人事マネジメントを研究していました。私の研究室は放任主義だったので研究や就活を両立できました。発表する論文のウェイトによって力の入れ具合をうまく調整出来たことも大きいです。国家公務員になるか、博士課程に進むか迷いましたが、研究テーマを一生の仕事としていいのか、もっと別の世界を見てみたいという気持ちがあったので、博士に進むのはやめました。もっと大きい挑戦をしたいという気持ちもあったことも、国家公務員を目指してみようと考えた一因です。

--就活や研究などでお忙しい中、公務員試験の勉強は大変でしたか?

A.なんだかんだそんなに苦ではなかったです。捨て問題や時間配分といった細かいテクニックをうまく使ったり、計画をしっかり立てたりして効率よく勉強することが出来ました。民間の内定もありましたし、元々学部時代から法律については勉強していたので、その他の科目は二ヶ月で終わらせました。

2-5.吉田さんからのメッセージ

--ありがとうございます。最後に、公務員志望の方に何かアドバイスがあれば教えてください。

A.公務員志望の人は、公務員になりたいという気持ちが強い人が多いですが、民間就活を通じて民間企業の仕組みや会社の魅力を知ることで見える世界が広がると思います。

ーー本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

3.最後に

民間就活や研究などを通じて進路を考えながら、最終的に国家公務員として働くことを決めた吉田さん。吉田さんとのインタビューを通じて院卒区分の公務員就活生の実際についてのみならず、進路決定の面においても院卒就活でどのような道に進めるのか、どれくらい複数のことを両立できるのかなど非常に参考になりました。この記事が読んでくださる皆様のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

kubo
kubo
関西在住大学4年生。「急がずに、だが休まずに」をモットーに、今日も心の赴くままに行動している。

新着記事